睡眠は、個人の健康課題ではなく、人的資本の土台です
人的資本経営では、社員一人ひとりの能力を最大限に発揮できる状態をつくることが求められています。
その土台となるのが、日々のコンディションを支える「睡眠」です。
睡眠が不足すると、疲労感や眠気だけでなく、集中力、判断力、記憶力、感情の安定、コミュニケーションの質にも影響します。
その結果、欠勤として表面化する前に、仕事の質の低下、ミスの増加、メンタル不調、ヒヤリハット、プレゼンティーズムとして現れることがあります。
つまり睡眠は、福利厚生のテーマにとどまらず、
社員の回復力・生産性・安全性・定着を支える人的資本の重要指標なのです。
データで見る、企業が睡眠に取り組むべき理由
厚生労働省の令和6年「国民健康・栄養調査」では、20〜59歳のうち、睡眠で休養がとれている人は73.0%でした。
裏を返せば、働く世代のおよそ4人に1人は、睡眠による回復に課題を抱えている可能性があります。また、1日の平均睡眠時間が目安の範囲内にある人は全体で56.0%にとどまっています。
さらに厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、労働世代である20〜59歳の各世代において、睡眠時間が6時間未満の人が約35〜50%を占めるとされています。成人ではおおよそ6〜8時間の睡眠が適正な目安とされ、少なくとも6時間以上の睡眠確保が推奨されています。
睡眠不足は、企業活動にも大きな影響を与えます。RAND Europeの国際比較研究では、日本は睡眠不足によって年間約60.4万労働日を失っていると推計されています。また、睡眠不足はGDP損失や労働生産性の低下につながる可能性が示されています。
安全面においても、睡眠は重要です。27研究、約26.8万人を対象としたメタ分析では、睡眠問題のある労働者は、睡眠問題のない労働者と比べて労働災害リスクが1.62倍高いと報告されています。
また、経済産業省の健康経営ガイドブックでは、健康経営の実践が、プレゼンティーズムやアブセンティーズムの減少、ワーク・エンゲージメントの向上など、従業員の業務パフォーマンス向上と関係することが示されています。
睡眠改善がつながる4つの経営効果
1. 生産性の向上
睡眠不足は、出社していても本来の力を発揮できない「プレゼンティーズム」の一因になります。
睡眠を整えることは、単に休む時間を増やすことではありません。
同じ勤務時間の中で、集中力・判断力・思考力を高めるための投資です。
2. メンタルヘルス対策
睡眠の不調は、疲労感、気分の落ち込み、ストレス反応と関係します。
メンタル不調が深刻化する前に、睡眠を見直すことは、一次予防の観点からも重要です。
3. 安全・ミス防止
眠気や疲労は、注意力の低下、判断ミス、反応の遅れにつながります。
製造、運輸、医療、介護、建設、車両を使う職場などの安全衛生において睡眠が重要であるのはもちろんのこと。
集中力や判断力が求められるすべての職場において、欠かせない重要テーマです。
4. エンゲージメントと定着
十分に回復できている社員は、仕事への意欲や周囲との関係性を保ちやすくなります。
睡眠改善は、社員のコンディションを整え、長く働き続けられる職場づくりにもつながります。
私たちは、睡眠を単なる生活習慣の問題として扱いません。
睡眠を、
回復力を高めるテーマ
仕事のパフォーマンスを支えるテーマ
安全性を守るテーマ
定着率を高めるテーマ
として位置づけ、企業の人的資本経営・健康経営に接続します。
研修では、睡眠の知識を伝えるだけではなく、社員が「今日から変えられる行動」に落とし込みます。
睡眠時間の確保、光の浴び方、昼間の眠気、夕方以降の過ごし方、スマートフォンとの付き合い方、カフェイン、運動、休日の過ごし方など、日常の行動を具体的に見直します。
眠れている社員は、強い人的資本になる
社員の力を最大限に引き出すには、スキルやモチベーションだけでなく、日々の回復が欠かせません。
睡眠は、すべての働く人に関係する、もっとも身近で、もっとも見落とされやすい経営資源です。
プラス・シコウは、睡眠を起点に、社員の回復力・生産性・安全性・定着を支える研修を提供します。
※参考資料
厚生労働省「令和6年 国民健康・栄養調査」
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
経済産業省「健康経営ガイドブック」
RAND Europe “Why sleep matters — the economic costs of insufficient sleep”
Uehli K, et al. “Sleep problems and work injuries: a systematic review and meta-analysis”
